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お子様の蛋白尿について

  尿に蛋白が混じっている状態を「蛋白尿」といいます。尿の見た目では蛋白尿の判断は難しいので、3歳児検尿や学校検尿などで指摘される場合が多いと思います。

 最も正確な蛋白尿の評価方法は、24時間尿をためて1日の蛋白量を測定する畜尿検査を行います。当院にも専用の容器があり、簡単に行うことができますが、おおむね1日自宅にいる時にしか行うことができません。またおむつをしている小さなお子さんや、幼稚園や学校に通っているお子さんでは1日の尿をすべてためるのは難しい場合もあります。その場合には朝起きた時にとった尿(早朝尿といいます)や、受診した時の尿(随時尿といいます)から1日の蛋白量の推定値を計算します。

 蛋白尿検査の方法としては、試験紙などで調べる定性法と、実際に蛋白の濃度を測定する定量法があります。定性法は試験紙の色調により-、±、1+、2+、3+、4+と分けられます。簡便に検査できるので一次検査に用いられますが、あくまでも検査に用いた尿の蛋白濃度を示しているだけであり、その時の尿の濃さによって影響を受けてしまいます。つまり、暑い日やたくさん汗をかいた日などは尿は濃くなるため、蛋白の濃度は高めに出てしまいます。逆に、水分をたくさんとった後に検査を受けると、尿は薄まるため蛋白の濃度は低めに出てしまいます。

 そのため、一次検査で蛋白尿を指摘された場合には、蛋白の実際の濃度を測定します。定量法といって、mg単位で具体的な量を測定する方法です。そして尿の濃さを補正するため、1回の尿の蛋白濃度を尿中のクレアチニンという物質(1日に排出されある量がほぼ一定の物質*)で割り算して1日の尿蛋白量を評価します。これは尿蛋白/クレアチニン比(尿TP/Cr比)と呼ばれ、1日の尿の蛋白量とほぼ等しく、どんな時の尿でも一定の評価が可能となります。尿蛋白/クレアチニン比は0.15以下が正常で、1.0を超えれば高度蛋白尿と考えられています。

*クレアチニンは1日およそ1g排泄されているため、クレアチニン1gあたりの尿蛋白量が1日の尿蛋白量と換算できることになります。

蛋白尿の分類

 病気ではなく治療の必要のない生理的蛋白尿と、病的蛋白尿に分類されます。

生理的蛋白尿

一過性蛋白尿

 検尿で尿蛋白陽性と判断されても、数日後に再検すると多くの場合は陰性(正常)です。これを一過性蛋白尿といいます。激しい運動、発熱、脱水などによっておこることがあります。その場合は治療の必要はありません。

体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)

 思春期のやせ形のお子さんに多くみられる良性の蛋白尿です。やせ形の体型のために、腎臓が圧迫されたりすることによるものと考えられています。特徴的なのは、横になって安静にしている時には異常がなく、起きて体を動かすと(起立した体勢になると)蛋白尿がみられることです。つまり、朝起きた時にとった尿(早朝尿)では蛋白が出ていないにもかかわらず、活動を始めてからは蛋白尿が陽性となります。運動や体位により尿への蛋白の排泄が増えるために起こり、特に治療の必要はありません。体位性蛋白尿は、学校検尿で見つかる症状のない蛋白尿の大部分(20~40%)を占めるとも報告されています。

病的蛋白尿

 体位性蛋白尿などの生理的蛋白尿が否定された場合、糸球体から尿に蛋白が漏れるような腎炎やネフローゼ症候群などの可能性があり、精密検査が必要な場合があります。蛋白尿の量、持続時間、蛋白尿のほかに症状があるかなどをふまえて検討します。腎炎やネフローゼ症候群の場合には、蛋白尿そのものが腎臓の働きを悪化させます。ちなみに、血尿は腎臓の働きを悪化させることはありません。そのため血尿ではなく、蛋白尿が腎炎やネフローゼ症候群の治療を行うかの判断や治療の効果判定に用いられています。

 蛋白尿が出ている場合、その量が多い場合は腎機能の低下を認め、腎不全に至る場合があります。定期的に受診して検尿所見に増悪がないかどうかを確認することが大切です。間隔については最初の3か月は1か月ごと、その後は2-3か月ごとに定期的にチェックすることをおすすめします。

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