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リスクの評価と管理目標値

    それでは脂質異常症と診断された場合、どの値をどの程度にコントロールすることが必要なのでしょうか。実は脂質異常症の方の目標値は人それぞれ違います。もう少し詳しく言うと、HDLコレステロールとトリグリセライド(中性脂肪)は一律に目標値が決まっていますが、LDLコレステロールに関しては、人によって変わってきます。それは動脈硬化を起こしやすい因子(リスク因子)をLDLコレステロール以外にどの程度持っているかによって変わってきます。

 動脈硬化のリスク因子には、LDLコレステロールのほかに加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、そして低HDLコレステロール血症などがあります。 人それぞれ、もっているリスク因子は違うので、目標とする値も違います。簡単に言えば、上記のリスク因子が多いほど、よりしっかりとLDLコレステロールを下げることが必要です。

管理目標値1

Step1 冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)を以前に発症した方は、二次予防のため、LDLコレステロール100未満を目標にします

 管理目標値2

Step2 冠動脈疾患のない方で1)〜4)のいずれかがある場合は、カテゴリーⅢとなり、LDLコレステロール120未満を目標にします

 管理目標値3

Step3 Step2のいずれのリスクもない方はStep3の中でカテゴリーを評価します。

管理目標値4

 

管理目標値5

最終的に導き出したカテゴリーごとにLDL-C(悪玉コレステロール)の目標値が異なります。

 

(例題)

55歳男性。非喫煙者。冠動脈疾患や脳血管障害の既往はなく、冠動脈疾患の家族歴もなし。総コレステロール220mg/dl、HDL-C36mg/dl、TG(トリグリセライド)75mg/dl、血圧135/85mmHg。糖尿病・耐糖能異常なし。特に自覚症状はなく、治療中の疾患もなし。

(答)

・冠動脈疾患の既往がないので、一次予防症例です。(Step2に進む)

・脳血管障害の既往や糖尿病はないが、慢性腎臓病(CKD)あるいは末梢動脈疾患(PAD)があればカテゴリーⅢとなります。

・CKDや PADのない場合は、Step3に進みチャートを参照します。「55歳」「男性」「非喫煙者」で「総コレステロール220mg/dl」「収縮期血圧135mmHg」の交点からカテゴリーⅠに分類されますが、「HDL-C36mmHg」のため、カテゴリーは1上がってカテゴリーⅡとなります。

・つまりこの方のLDL-C目標値は、CKDや PADがある場合は、カテゴリーⅢとなり、120未満が目標となりますが、CKDやPADがない場合はカテゴリーⅡとなり、LDL-Cは140未満が目標となります。

 

いかがでしょうか?ご自分の検診結果を見比べてみてください。

少し難しいですので、もしわからないようでしたら外来でご相談くださいね。

脂質異常症の治療について→

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