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薬物療法 -処方される薬を知る-

 高血圧や糖尿病を合併している患者さんはそれぞれ血圧管理や血糖管理のための薬が必要になり、すでにたくさんの薬を飲んでいる方が多いことと思います。それらに慢性腎臓病の進行を抑えるための、または慢性腎臓病によってあらわれる症状を軽くするための薬が加わります。

  1.腎臓を守る降圧薬の使用(ARB、ACE阻害薬)

 最近、慢性腎臓病の患者さんに対し腎保護作用を期待してよく使われる降圧薬はARB(アンギオテンシン受容体拮抗薬)やACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)です。慢性腎臓病では血圧管理が非常に重要で、慢性腎臓病の進行を遅らせる上では血圧を130/80mmHg以下に厳格に管理する(可能ならさらに下げる)ことが必要です。ARBやACE阻害薬には血圧を下げる作用がありますが、他の降圧薬に比べて尿蛋白の減少効果つまり腎保護作用にも優れています。

 2012年に刊行されたCKD診療ガイド2012では、糖尿病を合併しているCKD患者さんや軽度たんぱく尿を認めるCKD患者さんにおいてARBやACE阻害薬を第一選択薬とするよう推奨しています。

  2.慢性腎炎に対する治療

 慢性腎炎が原因で慢性腎臓病となっている方の場合は、抗炎症作用のあるお薬をすすめられることがあります。特にたんぱく尿の多い慢性腎炎の方は、ステロイド薬による治療を行います。さらにたんぱく尿の減少効果のある抗血小板薬なども腎炎の方には投与される場合があります。

  3.貧血に対する治療

 慢性腎臓病が進行してくると、腎臓から分泌される、血液を作るように指示するエリスロポエチンというホルモンが作れなくなり、貧血が進行してきます。これを腎性貧血といいます。貧血が進行してくると、身体がだるくなったり、心臓に負担がかかったり、貧血自体が腎機能の低下を進めてしまうことがあります。貧血の進行を防ぐためにはエリスロポエチンの注射を定期的に行う必要があります。一般的には1-2週間に1度が基本ですが、最近は月1回の注射で効果が持続するタイプの注射もあります。CKD診療ガイド2012では血中ヘモグロビン濃度を10-12g/dlに保つよう推奨されています。

  4.骨に対する治療

 慢性腎臓病が進行してくると、カルシウム吸収にかかわるビタミンDを活性化することができず、血中のカルシウム濃度が低下し、血清リン値が上昇してきます。これを防ぐために副甲状腺というのどの部分にある臓器から副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌され、このホルモンが骨を壊してしまうため、骨がもろくなってしまいます。この状態が続くと、骨の変化だけでなく、血管石灰化など全身の広範な異常を生じ、脳梗塞や狭心症・心筋梗塞などの命に係わる合併症を引き起こす可能性があります。それを防ぐために、PTHの分泌を抑制する活性型ビタミンD製剤やカルシウム受容体作動薬、血清リン値を抑制するリン吸着剤や炭酸カルシウム製剤などを内服します。

  5.それ以外の慢性腎臓病による症状

 慢性腎臓病が進行してくると、尿量の減少により体中に水分が貯留するため、むくみが出てきます。むくみを取るには食事による塩分制限と利尿薬という尿を強制的に出す薬を内服します。

 カリウムの排泄ができなくなってくると、血清カリウム値が上昇してきます。カリウムが高くなる(特に6.0mEq/l以上)と突然心臓が止まるような不整脈を引き起こすことがあり非常に危険です。カリウムの上昇を認めた場合には、食事によるカリウム制限とともに、カリウムの吸収を抑えるためカリウム吸着薬が処方されます。

 また、慢性腎臓病では血液が酸性に傾くことから、血液を中性に保つための重曹も投与されます。

 

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