慢性腎臓病(CKD)とは
慢性腎臓病は、慢性に経過する全ての腎臓病のことで、英語表記Chronic Kidney Disease
の頭文字を取って「CKD」と略されることもあります。
腎臓病は、主に老廃物をろ過する働きを行う腎臓の糸球体(しきゅうたい)や尿細管の障
害によって、腎臓の働きが悪くなる病気です。
「慢性腎臓病」は、自覚症状がないまま腎臓の機能が低下している状態、またはたんぱく
尿などの検尿異常が3か月以上続くことで、慢性に腎機能が低下するすべての腎臓病のこ
とを指します。
原因となる腎臓の病気のほか、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病やメタボリ
ックシンドローム、加齢、喫煙、遺伝など様々な原因によって、腎機能の低下が引き起こ
されます。
日本腎臓学会「CKD診療ガイド2012」によると、慢性腎臓病(CKD)の推定患者数は約
1,330万人 (*1) であり、これは成人の約13%に当たる数と報告しています。
(*1) (参考)CKD診療ガイド2012 P.7|日本腎臓学会 から推定

徐々に腎機能が障害されていきます
徐々に腎機能が障害されていきます
腎臓は様々な働きをしている臓器なので、腎機能が悪くなると体のあちこちに影響が及び
ます。尿として老廃物を出せないことで体内に毒素が溜まるほか、貧血や骨をもろくした
り、心血管疾患の発病リスクを高めたりするなど、命に関わる危険な状態を招く恐れがあ
ります。
また、腎臓は一度悪くなると、回復が見込めないケースがほとんどという点も忘れてはい
けません。著しく機能が低下した場合には、生きるために人工透析などの腎代替療法が必
要となります。そのためにも、腎臓病の「早期発見・早期治療」が重要です。
慢性腎臓病は、食事療法・運動療法など「生活習慣の改善」と、進行や合併症予防・原因
となる腎臓の病気の治療などに対する「薬物治療」を併用して治療を行います。
健康診断など検尿で引っ掛かった方、ご自身の尿が気になり始めた方、ご家族に腎臓病の
方がいて心配な方など、お気軽に当院までご相談ください。
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あなたの腎臓は大丈夫?
腎臓の働きを調べるには、GFR(糸球体濾過量)という値を計算します。
GFRは性別、年齢、血清クレアチニン(Cr)値から計算することができます。
血清クレアチニン(Cr)値は健診や受診した際の採血で測定します。
下記の性別欄にチェック、Crと年齢の空欄にご自分の値を入力してみましょう。

- 「慢性腎臓病(CKD)」とは、尿たんぱくが出ている等の腎疾患の存在を示す所見がある。または GFR(糸球体ろ過量) 60未満が3か月以上持続する場合に CKD とされます。
- CKD重症度分類は、原疾患・GFR区分・尿蛋白区分にて判定します。(2012年改定) 表記の例) 糖尿病 G3aA2
- 尿蛋白が試験紙の場合 尿蛋白区分は A1:(-,+-)、A2:(+)、A3:(2+以上)
- GFR推算式は日本腎臓学会にて用いられている推算式です。<GFR推算式>(成人の場合) GFR(男)=194×Scr-1.094×年齢-0.287, GFR(女)=GFR(男)×0.739
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腎臓のしくみと働き
慢性腎臓病の定義・診断基準
慢性腎臓病の症状
慢性腎臓病になりやすい人
慢性腎臓病の検査
慢性腎臓病の治療① 生活習慣の改善
慢性腎臓病の治療② 薬物療法
よくあるご質問
院長から一言
文責
腎臓専門医
総合内科専門医 木村 仁志