糖尿病について

糖尿病 Q&A 治療編

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目次

Q.糖尿病の週1回の注射薬をご存知ですか?
Q.食事の際、血糖上昇を抑えるちょっとしたコツ教えて!
Q.低血糖の時は砂糖を口にするが毎回して大丈夫?
Q. 糖尿病の治療はどんなものがありますか?

Q. 糖尿病の週1回の注射薬をご存知ですか?

  それは、GLP-1受容体作動薬とよばれるものです。

こちらはすべて注射薬になります。

GLP-1は、食物摂取により腸管から分泌されるホルモンの一つです。

これはインスリンを分泌する膵β細胞というところを刺激することによって、インスリンの分泌をよくして、血糖を上昇させるグルカゴンというホルモンの分泌を抑えることにより血糖コントロールを改善します。

 このお薬のいいところは、食事摂取に反応してインスリン分泌を促進するので、低血糖になりにくいことがあげられます。

また、膵臓以外にも食欲抑制による体重減少、胃排泄遅延による食後血糖上昇抑制効果、血圧低下や脂質改善作用も研究で報告されています。

 さらに、このタイプの薬の中でトルリシティというお薬は、週1回打つだけでOKです。

曜日を決めたら、その日のいつ打っても大丈夫です。

ですので、お出かけの予定があるときに持っていく必要がありません。

自宅にいるタイミングで打つだけです。

万が一打ち忘れても翌日でも大丈夫です。

 打ち方もそれほど難しくはありません。

ロックを外しておなかに当ててボタンを押すだけです。

 当院の場合は、導入時はスタッフが指導をしながら、行っています。

慣れてきたところで、ご自身でご自宅で打っていただくようになります。

当院では70代の方でも80代の方でもご自身でやられている方がいらっしゃいます。

また、ご家族の方がやり方を覚えて患者さんに打つというケースもあります。

 内服薬だけでは、なかなか血糖コントロールがよくならない、薬が多すぎて管理ができない、インスリン注射を提案されているけど、どうしてもやりたくない、という方は一度検討されてみてはいかがでしょうか?

Q.食事の際、血糖上昇を抑えるちょっとしたコツ教えて!

 まず、よく噛んで食べることが大切です。

よく噛んで食べると、食べる時間が長くなります。

そうすると血糖上昇することにより満腹中枢を刺激して少量でもおなかがいっぱいになります。

またよく噛むこと自体が満腹中枢を刺激して食欲を抑えることも知られています。

食べるものも工夫してみましょう。

食物線維が多い食材や弾力性のある食材、殻付き食品を選んでみましょう。

主食も白米や精製されたパンではなく、雑穀米や玄米、麦飯、全粒粉パンなどがおすすめです。

 食べる順番も大切です。

食物繊維の多い野菜から先に食べることで、食後血糖が上がりにくくなります。

また、主催としてタンパク質を使った食品を主食より先に食べることで、インスリンの効きがよくなることが知られています。

ご飯やパンなどの炭水化物は食事の最後にデザート感覚で食べることをお勧めします。

Q.低血糖の時は砂糖を口にするが毎回して大丈夫?

 糖尿病の合併症の中に、薬などが効きすぎて血糖が逆に下がってしまう、低血糖発作というものがあります。

 通常、血糖値が70mg/dl未満の場合、低血糖と診断して処置を行います。

低血糖症状には大きく分けて、交感神経症状と中枢神経症状があります。

交感神経症状というのは、低血糖によって交感神経が刺激されることにより、発汗・動悸・手の震えなどの症状が出現します。

中枢神経症状は、血糖値が50mg/dl以下になると眠気、脱力、集中力低下などが起き、血糖値が30mg/dl以下になると痙攣、昏睡になり、対応が遅れると意識が戻らないこともある重篤な合併症です。

 そのため、低血糖症状が出現したら速やかに、糖分を摂取して血糖をあげる必要があります。

かかりつけ医から、ブドウ糖を処方されている場合はブドウ糖を、それがない場合は砂糖やジュースなどを摂取しましょう。

ブドウ糖や砂糖以外の糖分は血糖上昇まで時間がかかりますので、注意しましょう。

 低血糖時は毎回ブドウ糖や砂糖を摂取するのは問題ありませんが、低血糖を頻回に起こすような状態は問題です。

頻回に低血糖発作を起こすようでしたら、薬剤が合っていない可能性があります。かかりつけ医と相談しましょう。

Q. 糖尿病の治療はどんなものがありますか?

ずばり!

食事・運動・薬です。以上!

これでは答えになりませんね。

もう少し説明してみましょう。

ヒトはつねにエネルギーを使い続けて生命を維持し生きています。

そのエネルギーは、通常1日3回ほどの食事からまとめて撮っているため、食後は一時的に摂取エネルギー過多となります。

通常は食事摂取により、食後の血糖濃度が上昇し始めると、インスリンが分泌されて、血糖は下がりますが、糖尿病の方はインスリン分泌が悪いかインスリンの効きが悪くなっているため、血糖が上がってしまいます。

そこで食事により摂取するカロリーを制限することにより、血糖上昇を抑える必要があります。

カロリー制限だけでなく、食事のタイミングや順番を工夫することでも血糖上昇を抑えることができます。

次に運動をするとどんな効果があるのでしょうか?

血糖値は、血液中に入ってくるブドウ糖と、出ていくブドウ糖のバランスによって上がったり下がったりします。

血糖の中に入ってくるブドウ糖は、主に肝臓から出てくる糖と、食事から入ってくる糖の2つのルートがあります。

 その反対側では、血液中から糖が出ていくルートがあります。

このルートは、主に筋肉が担当しています。

血糖値が下がるということは、血液中に入ってくるブドウ糖より出ていくブドウ糖の方が多いことを意味しています。

 糖尿病患者さんにおいて運動療法は血糖を低下させますが、そのしくみとして筋肉による糖取り込みの増加が重要です。

つまり、運動をすることにより、体の中では、骨格筋での糖取り込みが増えます。

それにより、血液中から出ていく糖が増えて血糖値が低下します。

このような運動の効果は2つに分けられます。

 たとえば、1回の運動でも骨格筋の糖取り込みは増加し、血糖値は低下することが知られています。

このような運動の効果は急性効果と呼ばれています。

その一方で、運動を継続し続けることにより、運動をしていないときでもインスリンによる骨格筋での糖取り込みは高まります。

このような効果は運動の慢性効果と呼ばれています。

 糖尿病の薬にはどのようなものがあるのでしょうか?

現在では、いろいろなタイプのお薬が開発されています。

簡単にみていきましょう。

まずはインスリン抵抗性を改善させるお薬、つまりインスリンの効きをよくするタイプのお薬です。

このようなタイプのお薬としてビグアナイド薬、チアゾリジン薬というお薬があります。

これらのお薬は、比較的使いやすく低血糖のリスクも少なく、ビグアナイド薬などは第一選択(まず最初にチョイスされる薬)に挙げられますが、ビグアナイドでは腎機能低下している方には使えず、チアゾリジン薬は浮腫や心不全のある方は注意が必要です。

次に、インスリンの分泌を促すお薬があります。

このようなタイプのお薬としてスルホニル尿素(SU)薬、速攻型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)というお薬があります。

これらのお薬の注意点はなんといっても低血糖です。

とくにSU薬は作用時間が長いため、高齢者の方は注意が必要です。

次に、糖の吸収を抑える、糖の排泄を促進するお薬があります。

糖の吸収を抑えるお薬としてα-グルコシダーゼ阻害薬、糖の排泄を促進するお薬としてSGLT2阻害薬があります。

α-グルコシダーゼ阻害薬は、朝刊での糖の吸収を抑えることによって血糖の上昇を抑えますが、下痢、便秘、放屁、腹部膨満などの腹部症状が出ることがあります。

SGLT2阻害薬は、腎臓で作られる尿に強制的に糖を排泄させるお薬です。

このお薬は比較的新しいお薬ですが、最近このお薬を使った様々な研究が行われ、心臓や腎臓にいい効果があることが次々と報告されています。

次にインスリン分泌を改善するインクレチン関連薬があります。

インクレチン関連薬には、DPP-4阻害薬という内服薬とGLP-1受容体作動薬という注射薬があります。

これらのお薬も、先ほどのSU薬同様インスリンを分泌させるお薬ですが、このお薬のいいところは、食事に反応して作用するため、無秩序にインスリンを分泌させるSU薬と違って、低血糖を起こしにくいことが挙げられます。

GLP-1作動薬には、週1回投与でOKのお薬もあり、手技も簡単で、高齢な方でも安心してお使いいただけます。

最後に、インスリン製剤です。

これは、文字通り、体の中で足りなくなったインスリンを外から注射で入れてあげるお薬になります。

患者さんの食事や生活に合わせて、インスリン量を調整して投与することができる反面、手技が大変ですし、外出先にも持参しなければいけないこともあります。

このように、一言に糖尿病の治療と言ってもいろいろな方法があります。

これらの方法を、ご自身の生活スタイルや血糖値に合わせて、かかりつけの先生と相談しながら、組み合わせて治療に当たることになります。

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文責

腎臓専門医
総合内科専門医                              木村 仁志


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