糖尿病について

シックデイルールとは?

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  3. シックデイルールとは?

シックデイとは、ふいに襲ってくる「高血糖にも低血糖にもなりやすく血糖コントロールが不安定になる状態」でした。

そのため、主治医と相談し、あらかじめ発熱時や食欲不振時の対応を決めておく必要があります。これを「シックデイルール」といいます。

大きく3つのポイントがあると思います。

1つは日常生活の注意点。

2つ目は医療機関を受診すべきかどうか。

3つ目に薬をどうするか
です。

1.日常生活上の注意点

 シックデイの原因がなんであれ、体力が低下しないように安静と保温が大切です。

また、1日2L程度の十分な水分と、100g-200g程度の糖質の摂取により、脱水やケトーシスの発症を抑えるようにしましょう。

糖質の濃度の高い飲み物は、高血糖を助長しますので注意が必要です。

2.医療機関を受診すべきかどうか

 シックデイの原因となる疾患に伴う症状(発熱・嘔吐・下痢・疼痛など)が強いときや食事摂取が困難な時、脱水症状(ツルゴール低下、尿量減少など)が強いときなどは、医療機関の受診をお勧めします。

また、血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose:SMBG)を行っている患者さんに対しては、350mg/dl以上が持続するときは医療機関の受診をお勧めします。

3.薬剤の調整

1型糖尿病の場合

 もっとも重要なことは、食事がとれなくても基礎インスリンを継続することです。

基礎インスリンを中断すると、糖尿病ケトアシドーシスの原因となります。

追加インスリンに関しては、食事摂取量、特に糖質の摂取量に応じて投与します。

SMBGはできるだけ頻繁に施行し、食前血糖値が250mg/dl以上となったら補正インスリンを投与します。

2型糖尿病の場合

 2型糖尿病患者さんでは、使用している血糖降下薬によって対応が異なります。

 インスリン療法中の場合は、1型糖尿病薬と同様に基礎インスリンは継続し、追加インスリンは食事摂取量に応じて、投与しましょう。

GLP-1受容体作動薬では、食事が摂取できなし、あるいは消化器症状がある場合は休薬しましょう。

ピグアナイド薬では、脱水症の懸念があれば、乳酸アシドーシスの発症リスクが高くなりますので、禁忌となります。
(内服してはいけないということ)チアゾリジン薬は、シックデイの間は休薬できますのでお休みしましょう。

スルホニル尿素(SU)薬や即効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)は、食事摂取量に合わせて調整が必要です。

あらかじめ主治医と相談しておくとよいでしょう。

DPP-4阻害薬は、食事がとれない間は休薬しましょう。

α-グルコシダーゼ阻害薬は、消化器症状がある場合は休薬しましょう。

そしてSGLT2阻害薬は、浸透圧利尿に伴う脱水をきたしやすいので休薬しましょう。

以下のように、事前に、細かくルールを決めて、シックデイに対応できるように準備をしておくことで、急性合併症の発症予防になります。

また、シックデイルールは災害発生時にも活用できます。

そのため、全ての糖尿病患者さん及びそのご家族の方は、主治医と相談しておくことが望ましいです。




文責
総合内科専門医
木村 仁志


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