1)健康診断で脂質異常症の指摘をされた場合は、症状がなくても病院に行かないとダメですか?
一度は受診をおすすめします。
前述した通り、「脂質異常症」自体に症状はありません。だからこそ、症状が出てきた時
には、病状が相当進行している可能性があります。また、自覚症状が出てきた段階からの
治療では、できる治療が限られてしまうこともあります。
少しでも早くみなさんに「早期発見・早期治療の重要性」を気づいていただき、早い段階
から予防に取り組んでいただきたいです。
私たちはそのお手伝いをしたいと思っていますので、お気軽にご来院ください。
2)脂質異常症における生活習慣の改善ポイントは?
次のことを意識して、日常生活を見直してみましょう。
1 禁煙(受動喫煙の防止も含む)
喫煙は血管を痛め、動脈硬化の進行を促進させることになります。
2 食事管理
バランス良い食事、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取制限、食物繊維の摂取、食
塩制限など、食べ方にも工夫しましょう。
3 体重管理
日本肥満学会ではBMI25以上を肥満と定義。25以上あれば減量しましょう。
4 運動・身体活動量
有酸素運動を中心に、運動の習慣をつけましょう。
5 飲酒
アルコール摂取量を制限しましょう。
3)運動療法での注意点はありますか?
・ 運動前・後には準備運動や整理運動を行いましょう
・ 患者さんの基礎体力・年齢・体重・健康状態などを踏まえて設定された運動量を行
うようにしましょう。
・ 冠動脈疾患・呼吸器疾患・間欠性跛行などの持病がある方や心疾患リスクが高い方
・ご高齢の方は、主治医と相談してから運動を始めるようにしましょう。骨関節疾
患がある方は整形外科医へあらかじめ相談ください。
ただし、次のような持病がある場合には、運動を控えましょう。
重篤な心疾患(急性冠症候群、重症心不全、重度の大動脈弁疾患)、急性心膜・心
筋炎、重症不整脈、コントロールの極端に悪い糖尿(空腹時血糖250mg/dl以上また
は尿中ケトン体中等度以上陽性)や高血圧、眼底出血を合併した糖尿病性増殖性網
膜症、尿毒症または透析療法導入直前の高度な腎不全、急性感染症、高度の糖尿病
性自律神経障害、糖尿病性壊疽など
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脂質異常症の定義・診断
脂質異常症セルフチェック
脂質異常症の原因と症状
脂質異常症の検査
脂質異常症の治療
脂質異常症の通院頻度と費用
院長から一言
文責
腎臓専門医
総合内科専門医 木村 仁志