生活習慣病について

脂質異常症について

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脂質異常症の診断基準


日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」では、脂質異常症の診断基準は、空腹時の血液中の脂質が下の表の通りとされています。



LDLコレステロールの管理を重要視


これまでは悪玉、善玉を区別せずに総コレステロール値が220mg/dLを超えると「高コレステロール血症」と呼ばれ、治療の対象とされてきました。しかし実際に心筋梗塞や脳卒中をおこすリスクが高いのは、コレステロールの中でも、いわゆる悪玉といわれる「LDLコレステロール値」が高い人です。
このため「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」以降は、診断基準から総コレステロールを削除し、LDLコレステロールの管理を重要視するようになりました。

「高脂血症」や「高コレステロール血症」とは違うの?

上にも書いたように、かつては総コレステロールが高くなることが動脈硬化のリスク因子だと考えられてきました。しかし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低いことも、動脈硬化を引き起こすリスク因子であることが分かってきました。そのため「高脂血症」や「高コレステロール血症」では低HDLコレステロール血症などの病態を必ずしも正しく表現できない場合があることから、2007年のガイドラインより「脂質異常症」と名称が変更されました。


医師スマイル

遺伝が原因!?家族性(原発性)高コレステロール血症

生活習慣に原因はなく、遺伝によってコレステロールが増えやすい場合もあり、500人に1人の割合でみられます。 両親のどちらか(または両方)にコレステロールを血中に蓄積しやすい遺伝子を持つ場合に、遺伝して発病することがあります。症状としては、動脈硬化が若いころから著しく進行し、男性で30歳代、女性で50歳代から心筋梗塞の発症率が増加します。両親共にコレステロールが増えやすい遺伝子を持ち、両方から遺伝した場合にはホモ型家族性高コレステロール血症を発症することがあります。 この場合、子供の頃からコレステロール値が高く、10代でも心筋梗塞を起こす可能性があります。 また、関節やアキレス腱などに黄色腫が出るという特徴もあります。

リスク因子と管理目標値

 それでは脂質異常症と診断された場合、どの値をどの程度にコントロールすることが必要なのでしょうか。実は脂質異常症の方の目標値は人それぞれ違います。もう少し詳しく言うと、HDLコレステロールとトリグリセライド(中性脂肪)は一律に目標値が決まっていますが、LDLコレステロールに関しては、人によって変わってきます。それは動脈硬化を起こしやすい因子(リスク因子)をLDLコレステロール以外にどの程度持っているかによって変わってきます。

 動脈硬化のリスク因子には、LDLコレステロールのほかに加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、そして低HDLコレステロール血症などがあります。 人それぞれ、もっているリスク因子は違うので、目標とする値も違います。簡単に言えば、上記のリスク因子が多いほど、よりしっかりとLDLコレステロールを下げることが必要です。


説明する医師

文責

腎臓専門医
総合内科専門医                            木村 仁志


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