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クリニックブログ

2024.11.26

糖尿病の食事 ~血糖コントロールをサポートする食事のポイント~

名古屋市緑区にあるきむら内科小児科クリニック院長の木村仁志です。 糖尿病の管理には、血糖値を安定させる食事が非常に重要です。食事療法は糖尿病治療の基本であり、正しい知識を持つことで血糖値のコントロールがしやすくなります。今回は、糖尿病の食事で押さえておきたいポイントを詳しく解説します。


糖尿病の食事療法の目的

糖尿病の食事療法には、以下の目的があります。

  1. 血糖値のコントロール
    炭水化物の摂取量を調整し、血糖値の急激な変動を防ぎます。
  2. 適切な体重管理
    エネルギー摂取を適正化し、肥満の改善や予防を目指します。
  3. 合併症の予防
    血圧や脂質代謝も考慮した食事を取り入れることで、心血管疾患や腎症などのリスクを軽減します。

糖尿病の食事の基本ルール

糖尿病の食事は、厳しい制限ではなく、バランスよく適切に摂取することが大切です。以下のポイントを参考にしてください。

1. 栄養バランスを意識する

1回の食事に以下の栄養素をバランスよく取り入れましょう。

  • 炭水化物(50~60%):血糖値に直接影響を与えるため、適量を守りましょう。
  • タンパク質(15~20%):魚や大豆製品を中心に摂取し、筋肉量を維持します。
  • 脂質(20~25%):良質な油脂(オリーブオイルや青魚)を選びましょう。

2. 血糖値の急上昇を防ぐ

  • 食物繊維を多く摂る:野菜や海藻、全粒穀物は血糖値の上昇を緩やかにします。
  • GI値の低い食品を選ぶ:玄米やそば、野菜を優先的に取り入れましょう。

3. 規則正しい食事を心がける

食事の時間や間隔を一定に保つことで、血糖値の安定化につながります。1日3食を基本に、必要に応じて間食を取り入れることも効果的です。

4. 塩分を控える

1日6g未満の塩分を目安に、醤油や味噌、加工食品の摂取を減らしましょう。塩分の多い食品は、高血圧や腎臓病のリスクを高める可能性があります。

5. カロリーの摂取量を適正化する

目安として、**1日の必要カロリーは「標準体重(kg)×25~30kcal」**で計算します。標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で求められます。


糖尿病におすすめの食品

糖尿病の食事では、血糖値をコントロールしやすい食品を積極的に取り入れましょう。

  • 野菜類:ほうれん草、ブロッコリー、キャベツなど。
  • 海藻類:わかめ、昆布、もずく。
  • たんぱく質:青魚(サバ、イワシ)、豆腐、納豆、鶏むね肉。
  • 炭水化物:玄米、全粒パン、オートミール。
  • 良質な油脂:オリーブオイル、亜麻仁油、魚の脂。

避けたい食品や注意点

以下の食品は、血糖値を急上昇させたり、合併症のリスクを高める可能性があるため控えましょう。

  • 糖分の多い食品:菓子類、清涼飲料水。
  • 脂肪分の多い食品:揚げ物、スナック菓子。
  • 加工食品:ソーセージ、ベーコン、レトルト食品。

また、「糖質オフ」や「低糖質」と表示されている食品でも、過剰に摂取しないよう注意が必要です。


当クリニックでの栄養指導

きむら内科小児科クリニックでは、糖尿病の食事療法をサポートするため、管理栄養士による個別の栄養指導を行っています。患者さま一人ひとりの生活スタイルや好みに合わせた食事プランを提案し、無理なく続けられるようサポートします。


地域の皆さまへ

きむら内科小児科クリニックでは、名古屋市緑区を中心に、豊明市や東郷町、日進市、天白区からも多くの患者さまにご来院いただいております。糖尿病の予防や管理に関するご相談は随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご来院ください。