blog
クリニックブログ

【連載】健診結果から読み解く、腎臓からのSOS

【連載】「これって老化?それとも病気?」体のサイン見極め塾|第2回:夜中に何度もトイレに起きる…実は心臓や腎臓からの合図かも

第2回:夜中に何度もトイレに起きる…実は心臓や腎臓からの合図かも

こんにちは。
きむら内科小児科クリニック、院長の木村仁志です。

「救える腎臓をひとつでも多く」

この想いを胸に、日常の何気ない体の変化を深掘りする連載の第2回をお届けします。

「夜中のトイレ」を歳のせいだけで片付けないで

「夜中に2回も3回もトイレに起きてしまう。もう歳(トシ)だからね……」 診察室でよく耳にする言葉です。
確かに加齢とともに膀胱の容量が変化したり、ホルモンのバランスが変わったりして、回数が増えることはあります。

しかし、実は「夜間尿」の陰に、臓器からのSOSが隠れていることが少なくありません。
なぜ夜に出るのか?そこには大きく分けて2つの「臓器の事情」があります。

  • ① 腎臓の「濃縮する力」が弱まっている
    腎臓には、体に必要な水分を再吸収して、尿を濃く少なくする力があります。腎機能が低下してくると、この「濃縮」がうまくできなくなり、薄い尿が大量に出てしまうようになります。
  • ② 心臓が横になった時に「頑張り始める」
    日中、心臓のポンプ機能が少し弱っていると、重力の影響で足元に水分が溜まります(これが第1回の「むくみ」です)。
    夜、横になって寝ると、その水分が血液に戻り、心臓が「よし、今だ!」とばかりに一気に腎臓へ血液を送り込みます。
    その結果、夜間に大量の尿が作られるのです。

チェックしてほしい「受診の目安」

単に回数が多いだけでなく、以下のような場合は一度ご相談ください。

  • 一回の尿量が多い(チョロチョロではなく、しっかり出る)
  • 寝る前の水分を控えても回数が減らない
  • 昼間も足がむくんでいる

夜間に何度も起きることは、睡眠の質を下げ、翌日の活動エネルギーを奪ってしまいます。
原因をはっきりさせ、適切な対策をとることで、「朝までぐっすり」という当たり前の幸せを取り戻せるかもしれません。

「老化だから」と諦める前に。あなたの未来を守るために

「腎臓は沈黙の臓器」です。
少しでも不安があれば、手遅れになる前にお近くの腎臓専門医までご相談ください。

きむら内科小児科クリニック院長 木村でした。
それではまた次回。


参考文献


執筆者木村 仁志
腎臓専門医|きむら内科小児科クリニック 院長

大学病院等で10年以上、腎臓病診療に従事 。日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医などの資格を有する 。
地域のかかりつけ医として、専門的な知見と温かい対話を通じて、患者さま一人ひとりの「人生の楽しみを守る」医療を実践している 。