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クリニックブログ

2024.11.25

脂質異常症の原因 ~健康を守るために知っておきたいこと~

名古屋市緑区にあるきむら内科小児科クリニック院長の木村仁志です。
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪の値が基準範囲を超えた状態を指します。初期には自覚症状がほとんどないため、放置すると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高める病気です。今回は、脂質異常症の原因とその予防方法について詳しくご紹介します。

脂質異常症とは?

脂質異常症は、以下の3つの状態のいずれかを指します。

  1. LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の増加
    基準値を超えると血管内にプラークを形成し、動脈硬化を進行させます。
  2. HDLコレステロール(善玉コレステロール)の低下
    HDLが不足すると血管内のコレステロールを排出する機能が低下します。
  3. 中性脂肪(トリグリセリド)の増加
    高い値が続くと、動脈硬化や膵炎のリスクが高まります。

脂質異常症の主な原因

脂質異常症は、生活習慣や遺伝的要因などが複雑に関係して発症します。以下はその主な原因です。

1. 食生活の乱れ
  • 動物性脂肪の過剰摂取
    肉やバター、乳製品などに含まれる飽和脂肪酸の過剰摂取は、LDLコレステロールを増加させます。
  • 糖質やアルコールの過剰摂取
    中性脂肪が増える主な原因です。お菓子や甘い飲み物、過度の飲酒には注意が必要です。
  • 野菜不足
    食物繊維が不足すると、血液中の余分な脂質を排出しにくくなります。
2. 運動不足

運動不足は、善玉コレステロール(HDL)の低下や中性脂肪の増加を引き起こします。有酸素運動が不足すると、脂質代謝が悪化します。

3. 肥満

内臓脂肪の蓄積は、インスリン抵抗性を引き起こし、脂質異常症の原因となります。また、肥満は高血圧や糖尿病など他の生活習慣病とも関連があります。

4. 喫煙

喫煙は、HDLコレステロールを低下させる大きな要因です。また、血管に炎症を引き起こし、動脈硬化のリスクを高めます。

5. 遺伝的要因

家族性高コレステロール血症などの遺伝的要因により、若い世代でも脂質異常症を発症することがあります。遺伝が関与している場合、特にLDLコレステロールの値が高くなる傾向があります。

6. ストレス

慢性的なストレスは、ホルモンバランスを乱し、脂質代謝を悪化させる可能性があります。

7. 加齢

加齢とともに脂質代謝が低下し、脂質異常症のリスクが高まります。特に閉経後の女性はホルモンバランスの変化によりLDLコレステロールが上昇しやすくなります。

脂質異常症を予防するためのポイント

脂質異常症は、生活習慣を改善することで予防・管理が可能です。

1. バランスの取れた食事
  • オメガ3脂肪酸を摂る
    魚やナッツに含まれるオメガ3脂肪酸は、LDLを減少させ、HDLを増加させる効果があります。
  • 食物繊維を多く摂る
    野菜や果物、全粒穀物を積極的に摂取し、余分な脂質を排出しましょう。
  • 脂肪の質を見直す
    飽和脂肪酸を控え、オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を取り入れましょう。
2. 適度な運動

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を週に150分以上行うことで、脂質代謝を改善できます。

3. 禁煙と節酒

喫煙をやめることでHDLコレステロールが上昇します。アルコールの摂取量を適切に管理することも重要です。

4. 定期的な健康診断

血液検査を受けて、コレステロールや中性脂肪の値を定期的にチェックしましょう。

当クリニックでのサポート

きむら内科小児科クリニックでは、脂質異常症の診断・治療を行っています。血液検査や管理栄養士による栄養指導を通じて、患者さま一人ひとりに合った生活改善や治療プランをご提案します。

地域の皆さまへ

きむら内科小児科クリニックでは、名古屋市緑区を中心に、豊明市や東郷町、日進市、天白区からも多くの患者さまにご来院いただいております。脂質異常症や生活習慣病に関するご相談は随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご来院ください。