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クリニックブログ

2025.01.13

慢性腎臓病(CKD)の食事療法について

慢性腎臓病と食事の関係

名古屋市緑区にあるきむら内科小児科クリニック院長の木村仁志です。
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が徐々に低下していく病気で、適切な食事管理が治療や進行抑制において非常に重要です。食事療法は腎臓への負担を軽減し、病気の進行を遅らせるだけでなく、生活の質を向上させる効果があります。今回は、慢性腎臓病の方が気をつけるべき食事のポイントをご紹介します。

慢性腎臓病における食事療法の目的


腎臓への負担を軽減
食事中のタンパク質やナトリウムの量を調整することで、腎臓の負担を減らします。

合併症の予防


高血圧や高カリウム血症などの合併症を予防し、全身の健康を守ります。

栄養状態の維持


エネルギー不足を防ぎ、健康的な体を維持するために、バランスの取れた栄養摂取が必要です。

主な食事のポイント

  1. タンパク質を適切に制限
    タンパク質は体に必要な栄養素ですが、腎臓に負担をかける老廃物の元になります。以下を目安に摂取量を調整します。

医師の指示に基づいて、1日あたり体重1kgあたり0.6~0.8g程度に制限することが一般的です。
良質なタンパク質(魚、卵、大豆製品など)を選び、効率よく栄養を摂取します。

  1. ナトリウム(塩分)の摂取を控える
    過剰な塩分は高血圧やむくみを引き起こし、腎臓への負担を増やします。

1日の塩分摂取量は6g未満を目安にしましょう。
醤油や塩を控え、レモンや酢、香辛料で味付けを工夫します。

  1. カリウムの摂取量を調整
    腎臓の機能が低下すると、カリウムが体内に蓄積しやすくなり、不整脈などの原因となります。

カリウムが多い食品(バナナ、ほうれん草、じゃがいもなど)は摂取量を調整します。
野菜は茹でてカリウムを減らしてから使用するのがおすすめです。

  1. リンの摂取を制限
    リンは骨の健康に重要ですが、過剰に摂取すると血液中に蓄積し、骨粗しょう症や血管石灰化のリスクが高まります。

加工食品やインスタント食品は控え、リンを含む食品(乳製品、内臓肉など)の摂取量に注意します。

  1. 十分なエネルギーを摂取
    エネルギー不足を防ぐために、適切なカロリー摂取が必要です。

1日あたり体重1kgあたり30~35kcalを目安に、脂質や炭水化物を上手に活用します。
食事療法を続けるコツ
家庭での味付けを見直す
減塩調味料やだしを使い、薄味でもおいしく感じられる工夫をしましょう。

外食や加工食品を控える
塩分やリンが多く含まれることが多いため、可能な限り自宅で調理した食事を摂るようにします。

管理栄養士に相談する
個々の病状に合わせた食事プランを立てることで、無理なく続けられるようになります。

当クリニックでのサポート
きむら内科小児科クリニックでは、慢性腎臓病の患者さまに向けて、管理栄養士による栄養指導を実施しています。一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた具体的な食事プランをご提案し、健康管理をサポートいたします。

地域の皆さまへ
きむら内科小児科クリニックでは、名古屋市緑区を中心に、豊明市や東郷町、日進市、天白区からも多くの患者さまにご来院いただいております。慢性腎臓病や食事療法に関するご相談は、ぜひ当クリニックにお問い合わせください。