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【連載】「これって老化?それとも病気?」体のサイン見極め塾

【連載】「これって老化?それとも病気?」体のサイン見極め塾|第6回:タバコとお酒…あなたの腎臓を「陰で泣かせている」意外な習慣

第6回:タバコとお酒…あなたの腎臓を「陰で泣かせている」意外な習慣

こんにちは。
きむら内科小児科クリニック、院長の木村仁志です。

「救える腎臓をひとつでも多く」
この想いを胸に、日常のサインから病気を見極める連載の第6回をお届けします。

「タバコとお酒」を、歳のせいだけで片付けないで

「タバコも酒も、もうトシだからね。今さらやめても……」
診察室でよく耳にする言葉です。
確かに、長年の習慣を変えるのは難しいですし、加齢とともに体への影響が出やすくなることはあります。

しかし、実はタバコやお酒が、臓器からのSOSを無視して、腎臓をじわじわと痛めつけていることが少なくありません。
なぜ腎臓に悪いのか?
そこには大きく分けて2つの「臓器の事情」があります。

  • ① タバコ:腎臓を「酸欠」にし、血管をボロボロにする
    タバコを吸うと、ニコチンの影響で血管がキュッと収縮します。
    すると、腎臓への血流が悪くなり、フィルター機能が低下してしまいます。また、タバコに含まれる有害物質は、血管の内側を傷つけ、動脈硬化を加速させます。
    腎臓は細い血管の塊ですから、血管がボロボロになると、網目が壊れて機能しなくなってしまいます。

  • ② お酒:脱水症状を引き起こし、腎臓に負担をかける
    アルコールには強い利尿作用があります。
    お酒を飲むと、体内の水分が尿として大量に排出され、脱水症状を引き起こしやすくなります。脱水状態になると、腎臓への血流が減り、腎臓に大きな負担がかかります。また、お酒と一緒に食べるおつまみには、塩分が多く含まれていることが多く、これも腎臓の負担になります。

チェックしてほしい「受診の目安」

以下のような場合は一度ご相談ください。

  • タバコの本数や、お酒の量が増えた
  • だるさと一緒に、むくみや尿の泡立ちがある
  • 以前よりも明らかに疲れやすくなった

「タバコやお酒」という身近な習慣だからこそ、放置せずに相談していただければ、尿検査や血液検査でその原因がわかります。
もし腎臓が原因だったとしても、早期に治療を始めれば、腎臓の寿命を劇的に延ばすことが可能です。

あなたの健康を守るために、少しだけ勇気を出して、気のせいだと諦めずに相談してみませんか?


「老化だから」と諦める前に。あなたの未来を守るために

「腎臓は沈黙の臓器」です。
少しでも不安があれば、手遅れになる前にお近くの腎臓専門医までご相談ください。

きむら内科小児科クリニック院長 木村でした。
それではまた次回。

参考文献


執筆者木村 仁志
腎臓専門医|きむら内科小児科クリニック 院長

大学病院等で10年以上、腎臓病診療に従事 。日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医などの資格を有する 。
地域のかかりつけ医として、専門的な知見と温かい対話を通じて、患者さま一人ひとりの「人生の楽しみを守る」医療を実践している 。