NUTRITION
栄養外来とは?

サプリメントや健康食品による健康被害

サプリメント(健康食品)を買うとき、あなたはどのように選びますか?

サプリメントを選ぶ基準というのは、一般的には正確なものがあまりないと思います。そのため、たとえば「その時どのような自覚症状があるのか」、「その時に流行っているものは何か」、「人から何を薦められた」といった曖昧な基準で選択されることが多いのではないでしょうか?

しかし、市販のサプリメントは、商品によって含有成分や品質に大きな差があります。

海外製のサプリメントは、サプリメントであっても向精神薬やホルモン成分などの医薬品成分が入っていることがあります。また、正規の流通品とは異なる偽造品や劣化品なども多く出回っています。そうした製品を使用すると、効果がないばかりでなく逆に健康被害が出ることもあります。

実際に事件も起きています。たとえば、中国製のダイエット用食品と称して販売されていた「御芝堂減肥胶嚢(おんしどうげんひこうのう)」、「天天素清脂胶嚢(てんてんそせいしこうのう)」、強壮用食品と称して販売されていた「蟻力神(いーりーしん)」、「威哥王(ウェイカワン)」、「男根増長素(なんげんぜんつあんす)」に、医薬品成分が含まれており、それにより健康被害が生じた事件がありました。

2023年4月には、花粉症に効果があると謳われていた「ジャムティーブラック」という健康茶に実はステロイドの成分が含まれていたということで国民生活センターから注意喚起が出されています。

サプリメントと医薬品の併用の危険性

こうした事件を受け、厚生労働省もホームページで注意を呼び掛けています。その中で特に注意が必要なのは、薬との併用です。

上の健康被害の事件は、その製品に医薬品の成分が含まれていることで問題が起こりました。しかし、健康食品に医薬品成分が入っていなくても、他の薬と一緒に摂っていたら同じことが起こる可能性は多いにあります。薬と何らかのものを一緒にとることで異常な反応が起こることを相互作用といいます。相互作用では、組み合わせによって、薬の副作用が強くなる、または薬の効果が弱くなるなどの害が生じることがあります。

厚生労働省のホームページでは、何かの病気にかかっている人や薬を飲んでいる人については、「健康食品を自己判断では使わない。使うときは必ず医師・薬剤師に伝える。」と明記されています。医薬品や栄養成分をよく知る医師や薬剤師抜きにして、健康食品を好きなように摂取することは極めて危険といえます。

当院の栄養外来

当院では、適切なサプリメントを選ぶことができる「栄養外来」を実施しています。

栄養外来の目的をひと言で言うなら、「自分に必要な栄養素をきちんと知ること」です。当院で行う栄養外来の特長は、あなたの訴えや悩みを聞き、生活習慣に対する、詳細な質問事項に答えていただいたうえで、あなたの食生活で予想される栄養素の不足について解析します。

また、ビタミンやタンパク質など栄養素の代謝状況(栄養の摂取・補充作用)を生化学的に反映するあなたの【血液検査データ】を、医師が詳細に解析することにより、問診と合わせ、さらに詳細に栄養素の過不足状況を導きだします。

そして、あなたの現在の状態に最適な栄養素を、サプリメントによって組み合わせ、ご提案いたします。

これにより、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に発揮でき、その結果として現在のご自身に最良の健康状態を得ることが可能になります。

「薬ではない、栄養素の働きを最大限に活用して最良の健康状態を手にすること」、これが当院の目指す栄養外来です。

繰り返しになりますが、市販のサプリメントは、商品によって品質に大きく差があり、使い方によって健康被害の危険性が多いにあります。

サプリメントは、しっかりしたサポート体制のあるメーカーから購入されることをお勧めします。

当院で扱うサプリメントは医療機関のみで扱う非常に質の高いサプリメントです。

院長も体調に合わせてサプリメントを摂取して効果を実感しています。

記事執筆者

きむら内科小児科クリニック

院長 木村仁志

資格
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医
  • 日本透析医学会透析専門医
  • なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
  • 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
  • こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
  • かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
  • かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本プライマリケア連合学会
  • 日本抗加齢医学会