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クリニックブログ

2025.05.21

睡眠時無呼吸症候群とは?いびきだけじゃない重大な健康リスク

名古屋市緑区にあるきむら内科小児科クリニック院長の木村仁志です。
毎晩のように「いびきがうるさい」と言われたり、日中の強い眠気に悩まされたりしていませんか?それはもしかすると「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」かもしれません。放っておくと 高血圧、心疾患、脳卒中、糖尿病などのリスクが高まる 深刻な疾患です。今回は、睡眠時無呼吸症候群の原因や症状、検査・治療法について解説します。


睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠中に 10秒以上の無呼吸や呼吸の低下(低呼吸) が繰り返される状態です。
1時間あたりに何回無呼吸が起こるかを表す AHI(無呼吸低呼吸指数) によって重症度が分類されます。

重症度AHI(無呼吸・低呼吸の回数)
軽症5~15回
中等症15~30回
重症30回以上

主な症状

  • 大きないびき・呼吸が止まる・寝汗
  • 熟睡感がない・夜中に何度も目が覚める
  • 日中の強い眠気・集中力の低下・倦怠感
  • 朝の頭痛・起床時の口の渇き

ご本人には自覚がなく、家族からの指摘で気づくケースも多いです。


原因

  • 肥満(特に首回りの脂肪)
  • 顎が小さい・扁桃肥大・舌が大きい
  • 加齢やアルコール・睡眠薬の使用
  • 鼻づまり・アレルギー性鼻炎 など

放置すると起こりうる合併症

✔ 高血圧
✔ 心不全・不整脈
✔ 脳卒中・脳梗塞
✔ 2型糖尿病
✔ 交通事故(運転中の居眠り)など

※重症の場合、生命予後に影響を与える疾患です。


診断と治療

1. 簡易検査(自宅で可能)

  • 就寝時にセンサーを装着し、いびき・呼吸・酸素濃度を測定

2. 精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフ検査)

  • 医療機関にて、脳波・呼吸・心電図など詳細に記録

3. 主な治療法

  • CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
     → 就寝時に鼻マスクをつけて空気を送り込み、無呼吸を防止
  • マウスピース療法(軽症~中等症)
     → 顎を前方に出し、気道を広げる
  • 生活習慣の改善(減量・禁酒・禁煙・横向き寝)

当クリニックでの対応

きむら内科小児科クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査・診断・CPAP療法まで一貫対応しています。
日中の眠気やいびきが気になる方は、お気軽にご相談ください。


地域の皆さまへ

当院には名古屋市緑区だけでなく、豊明市・東郷町・日進市・天白区からも多くの患者さまが来院されています。睡眠の質や体調に不安がある方は、ぜひご相談ください。

文責 総合内科専門医 木村仁志


参考ページ
出典:本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群」
出典:睡眠時無呼吸症候群診断と治療(木村内科小児科クリニック)