通常食事やサプリにより経口から接種するビタミンCの何倍もの量を点滴で体内に投与する治療です。
ビタミンCの抗酸化作用やコラーゲン合成作用、メラニン抑制作用などから、美容目的やアンチエイジング目的として投与されており、また抗がん作用もあるという研究結果から抗がん剤としても使用されています。
ビタミンCには、「美肌効果」だけでなく、体全体の酸化を抑える効果まであります。
ところが、ヒトの体内ではビタミンCを作ることはできません。またサプリメントなどで、ビタミンCを口からたくさん摂取しても、吸収される量はわずかであり、すぐに排泄されてしまいます。
“高濃度ビタミンC点滴”は、“大量”・“高濃度”のビタミンCを点滴することで、ビタミンCの血中濃度を急激に上昇させます。短時間でビタミンCが全身に行き渡りますので、高い抗酸化作用が得られます。
「美肌」や「アンチエイジング」に効果があるのは勿論のこと、「抗アレルギー作用」から「抗がん治療」にいたるまで様々な効果を期待できます。結果的に、全身のアンチエイジングにも有効です。
点滴頻度は月1~2回 1回あたり25g~50gがオススメです。
以下の方は、血中及び白血球中のビタミンC濃度が低下していることが考えられます。
シミの大敵である、メラニン色素の産生を抑制します
ビタミンCはコラーゲンやエラスチンなど、肌の弾力のもとを増やしハリのある肌を作ります
水分を強力に挟み込むセラミドの生成を促し、みずみずしいお肌にします
余分な皮脂の分泌を抑えきれいな毛穴を保つことでニキビを予防、抗炎症作用でトラブルを改善します
若々しく健康でいるためには、体のサビを防ぐこと「抗酸化」が重要です
細胞を攻撃する活性酸素から守り、体の酸化を防ぎます
ビタミン剤の経口内服に比べ血中濃度を効率良く高めるため、疲労倦怠感の回復と即効性があります
また日々のストレスの積み重ねで発生する活性酸素を抑え、健康的なホルモンのはたらきを応援し、ストレスに対応できる体を作ります
体内のウィルスや病原菌を排除する「白血球の機能」を強化して免疫力をアップします
いくつかの研究で、ビタミンCの投与で風邪症状の軽減が報告されています
がん予防にビタミンCが注目されています
超高濃度ではがん細胞を殺し、抗酸化作用によりがん細胞の発生を抑えます
歯周病を始め、歯科治療領域でも効果が期待できます
どのくらいの量、頻度がお勧めなの?
アンチエイジング目的、健康維持・健康増進目的であれば、12.5g-25gを月1-2回点滴いただくのがお勧めです。
12.5gであれば30分、25gであれば50分程度で終了します。
高濃度ビタミンC料金が高額な理由
ビタミンCは非常に不安定なビタミンで冷蔵で厳密に管理しないと、容易に酸化して酸化型ビタミンCになってしまいます。
酸化型ビタミンCは点滴しても効果がないどころか体に悪影響を及ぼします。
高濃度ビタミンC製剤を、工場の出荷時からクリニックまで冷蔵で厳密に管理するにはどうしても輸送コストがかかってしまいます。
現在、日本で流通している高濃度ビタミンC製剤には、米国マイラン・インスティテューショナル社Bi製(以下米国マイラン社製)と韓国製があります。
ここだけの話、韓国製と米国マイラン社製では仕入れ値は仕入数にもよりますが、6−7倍違います。韓国製の方が安価です。
(日本製のビタミンC製剤もありますが、防腐剤が使用されているため、高濃度ビタミンC点滴のように大量に投与することができません。)
当院では、自分がその製剤を使いたいかを常に考え、自分が納得するものだけを採用したいと考えております。
米国マイラン社製と韓国製の製剤の品質や輸送における品質管理を比較検討し、米国マイラン社製を採用することとしました。
米国マイラン社製の高濃度ビタミンC製剤は、品質の面でアメリカ食品医薬品局(FDA)の厳しい基準をクリアし、医療機関に納付されるまで2℃〜8℃の冷蔵保管・輸送が義務づけられており、自信をもって患者さんにお勧めすることができます。
ちなみに高濃度ビタミンC点滴製剤の色は、みなさん黄色いと思われているかもしれませんが、うっすら黄色いというのが正解です。
点滴しているときの製剤の色が濃い黄色になっている場合は、酸化している可能性がありますので、ご注意ください。
アメリカのカンザス州にある国際人間機能改善センターは高濃度ビタミンC点滴療法で有名な施設ですが、これまでの15年間に3万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法を実施し、副作用によって死亡に至った例はありません。実際には殆ど副作用のない安全な治療です。
点滴中に針を指した場所から血管にそって痛みが出ることがあります。点滴の速度は速すぎることが原因のため、速度を調整します。
G6PD欠損症という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方は赤血球が壊れてしまう溶血性貧血を起こすため、この治療を受けることができません。必ず初回にG6PDの酵素活性を測る検査が必要になります。
高濃度ビタミンC点滴療法終了後の数時間は、簡易血糖測定器で測る血糖値が高値になります。これは見かけ上高いだけで、実際の血糖値はもっと低い値になります。したがって自己血糖測定をしてインシュリンの注射量を決めている糖尿病患者ではインシュリンの量に注意しなければなりません。
透析中の腎不全の方はこの治療を受けることはできません。心不全、大量の腹水、強い浮腫のある方は、点滴で水分を血管内に入れることで病状の悪化を来す恐れがあるためにこの治療ができない場合があります。
ビタミンC点滴療法は健康保険医療の対象外であり、治療に伴う初診料、再診料、臨床検査、処方、紹介状なども含め全て自費診療となります。
使用するビタミンC製剤は米国マイラン・インスティテューショナル社Bi製で、世界的に最も多く使われている製剤で、多くの治療実績を有しており、また十分に安全性が保証されています。
但し、治療効果には個人差があり効果は確約できるものではないことをご了承ください。