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腎臓病の食事療法|管理栄養士が解説するポイントと注意点

腎臓病の食事療法

腎臓の働きは、一度失われると元に戻すことが難しいため、今ある機能を少しでも長く保つ(長持ちさせる)工夫が大切です。 そのために最も重要なのが、日々の食事です。慢性腎臓病(CKD)の食事療法で意識すべき5つのポイントを解説します。

1.エネルギー(カロリー)の確保

「食事療法=制限すること」と思われがちですが、腎臓を守るためには、実は「エネルギーをとること」が非常に重要です。 エネルギーが不足すると、体は自分の筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。この時に発生する老廃物が、かえって腎臓に負担をかけてしまうからです。 ご飯(炭水化物)や良質な油などを上手に使い、「カロリーは減らさず、中身を見直す」ことが基本です。

2.たんぱく質の調整

肉や魚、卵などに含まれる「たんぱく質」は体を作る大切な栄養素ですが、とりすぎると老廃物が増え、腎臓の負担になります。そのため、病気の進行具合に合わせて量を調整する必要があります。
特に高齢の方の場合、たんぱく質を制限しすぎると筋肉が落ちてしまい、体力が低下する「フレイル(虚弱)」の原因になることがあります。「とにかく減らせば良い」わけではありませんので、ご自身の体格や年齢に合った適量を知ることが大切です。

3.食塩(塩分)の制限

塩分のとりすぎは高血圧を招き、腎臓への大きな負担となります。 慢性腎臓病における塩分摂取量の目標は、一般的に「1日6g未満」とされています。 極端に塩分をゼロにする必要はありませんが、漬物、汁物、干物などの回数を減らす、香辛料や酸味を利用するなど、無理なく続けられる減塩を心がけましょう。

4.カリウム

腎臓の機能が低下してくると、余分なカリウムを尿として排泄できなくなり、血液中のカリウム濃度が高くなってしまうことがあります(高カリウム血症)。 カリウムは生野菜、果物、生魚(刺身)などに多く含まれます。 ただし、病状が初期の段階では制限が必要ないことも多いため、ご自身の検査データ(血液検査)を見ながら調整していくことが重要です。

5.リン

腎機能が低下すると、リンが排泄できずに体内に蓄積し、骨が脆くなったり血管が硬くなったりする原因になります。 特に注意したいのは、ハム、ソーセージ、インスタント食品、スナック菓子などの「加工食品」に含まれるリンです。これらは体への吸収率が高いため、まずは加工食品を控えることから意識してみましょう。

腎臓病の食事療法は専門的なサポートが重要です

腎臓病の進行を抑えるためには、適切な食事療法が欠かせません。当院では、医師と管理栄養士が連携し、患者さま一人ひとりの状態に合わせた食事指導を行っています。食事に関するお悩みや不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

記事執筆者

きむら内科小児科クリニック

院長 木村仁志

資格
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医
  • 日本透析医学会透析専門医
  • なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
  • 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
  • こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
  • かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
  • かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本プライマリケア連合学会
  • 日本抗加齢医学会
  • 日本美容内科学会