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慢性腎臓病の症状|「沈黙の臓器」からのSOSサイン

「どこも痛くないから大丈夫」「元気だから検査は必要ない」。そう思っていませんか?

実は、腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、病気が進行してもギリギリまで悲鳴を上げません。自覚症状が出たときには、すでに病気がかなり進行しているケースも少なくないのです。

しかし、腎臓は静かにサイン(SOS)を出しています。そのサインを早期にキャッチすることが、将来の健康を守るカギとなります。

1. 最も早いサインは「尿」の異変

腎臓は血液をろ過して尿をつくる工場です。そのため、腎臓のトラブルは真っ先に「尿」に現れます。痛みがないからといって放置せず、以下の変化がないかチェックしてみましょう。

■尿が泡立つ(たんぱく尿)

トイレの水に泡が立ち、なかなか消えない場合は「たんぱく尿」の可能性があります。本来、体に必要な栄養素であるたんぱく質が尿に漏れ出している状態は、腎臓からの緊急SOSです。

■尿の色がおかしい(血尿)

尿が赤っぽい、ピンク色、あるいはコーラのような茶褐色に見える場合は、血液が混じっている可能性があります。

■夜トイレに起きる回数が増えた

「歳のせい」と思われがちですが、腎臓の「尿を濃くする力」が低下すると、尿の量が増え、夜中に何度もトイレに起きるようになります。

2. 進行すると現れる「体」の症状

腎臓の機能がさらに低下し、GFR(腎臓の点数)が下がってくると、体の中に老廃物や余分な水分が溜まり始め、次のような症状が現れます。

■むくみ(浮腫)

余分な水分や塩分を排泄できなくなると、体に水が溜まります。靴がきつくなる、指輪が抜けなくなる、まぶたが腫れぼったいなどの症状が出ます。

■だるさ・息切れ(腎性貧血)

腎臓には「赤血球をつくるホルモン」を出す働きがあります。腎機能が落ちると貧血になり、動悸や息切れ、強いだるさを感じることがあります。

■高血圧

腎臓と血圧は密接に関係しています。腎臓が悪くなると血圧が上がり、その高血圧がさらに腎臓を痛めつけるという悪循環に陥りやすくなります。

3. 症状が出る前に見つけるには?

最も大切なことは「自覚症状が出る前に見つけること」です。初期の段階で見つけることができれば、治療の選択肢は大きく広がります。

■健康診断の結果を確認しましょう
  • 尿たんぱく: プラス(+)やプラスマイナス(±)が出ていませんか?
  • eGFR(腎臓の点数): 60未満になっていませんか?
  • 血圧: 上が130、下が80を超えていませんか?

腎臓の健康を守るために、早めの対策を

慢性腎臓病は、進行してしまうと元の機能を取り戻すことができません。「自覚症状がないから大丈夫」と思わず、定期的に腎機能をチェックし、早めに対策を始めることが大切です。

当院の腎臓内科診療の特徴

当院では、腎臓専門医である院長が診療を行い、医学的な診断に基づいた薬物療法や生活習慣の指導を行います。さらに、管理栄養士とも連携し、患者様一人ひとりの状態に合わせた食事・運動のアドバイスを提供しています。

健康診断で腎機能の異常を指摘された方、腎臓病の進行を防ぎたい方は、お気軽にご相談ください。

記事執筆者

きむら内科小児科クリニック

院長 木村仁志

資格
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医
  • 日本透析医学会透析専門医
  • なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
  • 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
  • こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
  • かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
  • かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本プライマリケア連合学会
  • 日本抗加齢医学会