以下の項目に1つでも当てはまる場合や、日常生活で気になることがある場合は、腎臓病の専門医がいる医療機関に相談することが大切です。
慢性腎臓病は初期段階ではほとんど自覚症状がないため、気づかないうちに進行することがあります。上記の症状が現れている場合、すでに腎機能が低下している可能性があります。
腎機能が低下すると、尿にさまざまな異常が現れることがあります。
✅ 夜間尿の増加:腎臓の濃縮力が低下し、尿量が増えるため、夜中にトイレへ行く回数が増えます。
✅ 日中の頻尿:腎機能が悪化すると、日中の尿の回数も増えることがあります。
✅ 尿の出が悪くなる:腎臓病が進行すると、逆に尿の量が減ることもあります。
✅ 尿が泡立つ(たんぱく尿):尿にたんぱく質が過剰に含まれると、尿が泡立つことがあります。
特に健康診断で「たんぱく尿」と判定された場合は、速やかに医療機関を受診してください。
腎機能が低下すると、塩分や水分の排出がうまくできなくなり、血圧が上昇します。高血圧は自覚症状がほとんどないため、健康診断や家庭での血圧測定を習慣にすることが重要です。
また、肥満やメタボリックシンドロームの方は、腎臓病を発症するリスクが高まります。
メタボリックシンドロームの診断基準
✅ ウエスト周囲径(男性85cm以上、女性90cm以上)
✅ 高トリグリセライド血症または低HDLコレステロール血症(150mg/dL以上 または 40mg/dL未満)
✅ 高血圧(収縮期血圧130mmHg以上 または 拡張期血圧85mmHg以上)
✅ 空腹時高血糖(110mg/dL以上)
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトeヘルスネットより作成
腎臓病が進行すると、体の中の水分や塩分を適切に排出できなくなり、むくみが現れます。指輪や靴がきつく感じることがあれば、腎機能低下のサインかもしれません。
また、腎臓病が進行すると、腎性貧血の影響で立ちくらみ、疲れやすさ、息切れを感じることがあります。これは、腎臓で作られる赤血球の生成を促すホルモンが不足し、体内の酸素供給が低下するためです。
こんな症状がある場合は要注意
✅ 体がだるく、倦怠感が続く
✅ 少しの動作で息切れしやすい
✅ 立ち上がるとフラつく
慢性腎臓病は、症状が出る前に早期発見することが重要です。腎機能を評価する方法のひとつにGFR(糸球体濾過量)の計算があります。
GFRは年齢・性別・血液検査のクレアチニン値(Cr値)をもとに算出できます。健診や病院・クリニックで採血したデータがあれば、GFRを計算してみましょう。
✅ GFRの計算式(eGFR:推算糸球体濾過量)
GFR(mL/min/1.73㎡)= 194 × Cr値^(-1.094) × 年齢^(-0.287) (※男性の場合)
※女性はさらに×0.739
例:55歳男性、Cr値0.8mg/dLの場合
→ 計算結果 GFR=78.4
GFR 78.4はG2(正常または軽度低下:60~89)に該当します。
※この計算式は参考情報として記載していますが、計算が複雑なため、正確なGFRを知りたい場合は医療機関での検査をおすすめします。
✅ GFRの目安
慢性腎臓病は、症状が出るころにはすでに進行していることが多く、早めの診断と治療が腎機能を守るポイントです。当クリニックでは、腎臓専門の診療を行い、食事・運動・薬物療法の適切なアドバイスを提供しています。
✅ 健康診断で腎機能の異常を指摘された
✅ セルフチェックで気になる項目があった
✅ 腎臓病の進行を防ぎたい
そんな方は、お気軽にご相談ください。