発熱について
- こどもでは一般的に37.5度以上を発熱と考えます。ただし、家の中が暑かったり厚着をしていたり、激しい運動や食事の後にはかると、37.5℃でも病気の発熱ではないということもあります。
- 発熱の原因で多いウイルスは熱に弱いです。熱は体の免疫の反応であり、高熱を出すことで病原体と戦っています。だから急いで熱を下げる必要はありません。
- 熱の高さと病気の重さは必ずしも関係ありません。
- 子どもの発熱の原因のほとんどは感染症です。2~3日熱は続きますが自然に下がることがほとんどです。
- 高熱だけが原因で脳の障害は起きません。
- 39度になると高熱と言われますが、幼児で39度以上の発熱は珍しいことではありません。
- 脳の障害の原因となる髄膜炎や脳炎は、何度も吐く、ぐったりして反応が悪いなどの症状を伴います。
解熱剤について
- 解熱剤には病気を治す効果はありません。一時的に(約4~5時間)熱を少し下げるだけです。
- 解熱剤にけいれんの予防効果はありません。
熱が高くても元気なら、解熱剤は控えましょう。高熱でつらく水分が取れない・眠れないなどの場合に使いましょう。
- 5~6時間以上の間隔をあけ、1日2回くらいを目安に。使用する解熱剤は、病院で処方されたものか、薬局で購入するときは「アセトアミノフェン製剤」と薬剤師さんに伝えてください。
*生後6カ月未満では原則解熱剤は使いません
受診ポイント
すぐに受診
- 3カ月未満児で38度以上の発熱がある(幼児、学童とは違い、免疫力がまだ十分ではないことや症状が出にくいことから生後3カ月未満の乳児では慎重に対応する必要があります)
- ぐったりして顔色が悪い
- 呼びかけてもぼんやりしている(眠ってばかりいる)
- 視線が合わない
- 周囲の状況に興味を持たない
- 不機嫌でぐったりしている
- 何度も嘔吐する
- 水分が取れず、半日以上尿が出ない
- 小鼻がピクピクして呼吸が速い
- 初めてけいれんした
- けいれんが5分以上治まらない
診療時間内に受診
※熱が出ても、比較的元気で水分もとれるようなら、夜中や休日に緊急受診する必要はありません。
おうちケアのポイント
こまめな水分補給と温度調節
A.熱をこまめに測りましょう。(一般的に朝低く夜高い)
B.朝熱が下がっても、午後から再び発熱することが多いので、午前中に病院を受診しましょう。
C.元気があれば、ぬるめのお湯で短時間の入浴は可能です。
D.水分摂取はこまめに。
×甘すぎたり塩分の強すぎるもの 〇乳幼児用イオン飲料・お茶・湯冷まし
E.熱の出始めは、寒気がして震えるので保温を。手足が暑く顔も真っ赤になってきたら薄着にし、できれば首や腋の下、足の付け根を冷やしましょう。
記事執筆者
きむら内科小児科クリニック
院長 木村仁志
資格
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本腎臓学会腎臓専門医
- 日本透析医学会透析専門医
- なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
- 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
- こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
- かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
- かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
- 日本内科学会
- 日本腎臓学会
- 日本透析医学会
- 日本プライマリケア連合学会
- 日本抗加齢医学会