GASTROENTELITIS
嘔吐・下痢

まず疑うのは・・・

発熱、嘔吐、下痢症状がそろえば、感染性胃腸炎の可能性が高いです。突然の嘔吐症状から始まり、続いて下痢症状、時に発熱がみられます。ウィルス感染がほとんどで、自分の免疫で治すので治療は対症療法が中心です。

感染性胃腸炎の原因となるウィルスは?

ロタウィルス、ノロウィルス、アデノウィルスが小児期で主要なウィルスとなります。ロタは嘔吐症状が強く、白っぽい便が出るのが特徴です。また合併症としてけいれんを起こすこともあります。

感染予防のポイント

手洗い・消毒​

下痢の場合
便を扱った手から口の中にウィルスが入り感染します。頻回に手を洗ってください。

嘔吐の場合
吐物が床に落ち、乾いてから空気中に飛び、それを吸い込んで感染することがあります。吐物の処理は次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンやハイター)などできちんと拭き取ってきれいにしておきましょう。消毒用アルコールや石けんはノロウィルスには効果がないので注意が必要です。

受診ポイント

必ず受診

  • 嘔吐症状が強く、半日以上水が飲めない
  • ぐったりしている
  • 水様下痢が1日6回以上ある
  • 口や舌が乾き、涙が出ない
  • 尿の量が少ない
  • 血便が出た

おうちケアのポイント

経口補水療法

嘔吐後すぐに水分を与えると、再度嘔吐してしまうことがよくあります。

  1. 嘔吐後は1~2時間お腹を休めて、最初はスプーン1杯分から水分摂取を。
  2. それでも吐かなければ、少しずつ量を増やして。

水分として与えるもの

  • 市販で売られているOS-1
  • アクアライトORSでの摂取が理想
  • 嫌がる場合はりんごジュースお味噌汁など
  • 母乳の場合は量を制限せず与えてOK
  • ミルクはお腹を休めながら普段より少なめに

水分摂取ができている場合は、嘔吐症状が改善し下痢が治まってくれば、食事摂取(おかゆ、温かいうどんなど)を開始しましょう。

記事執筆者

きむら内科小児科クリニック

院長 木村仁志

資格
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医
  • 日本透析医学会透析専門医
  • なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
  • 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
  • こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
  • かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
  • かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本プライマリケア連合学会
  • 日本抗加齢医学会