お子さまの様子をよく観察してください
小さな子どもは、ことばで症状を正確に訴えることができません。一方で、その時々の体調は、全身の状態として、体の動き、顔つき、意識の有無などに現れます。また、子どもの病気は、成人に比べて状態が急に悪化したり急に良くなったりすることが特徴といえます。そのため、時間が経過したときにどのような状態になっているのかをみてみましょう。たとえば、
- 食欲がない
- 何となく元気がなく遊ぼうとしない
- 泣き止まない
など、様子やしぐさがいつもと違っていると感じたときは、時間の経過とともにその様子がどうなっているのかをよく観察して、受診のタイミングを判断しましょう。病院にいった方が良いのかどうかは、症状の一つひとつというよりも総合的な判断が大切です。普段の様子と全体として違うか否かをとらえることが重要です。
それぞれの観察ポイント
全身を評価する上で、顔つき、呼吸の状態、皮膚の色、遊びの行動、声の様子などでみてみるとわかりやすいと思います。以下は、それぞれの観察するポイントです
- おもちゃで遊ぶか
- 手足は動かしているか
- 目線は合うか
- 周りに興味を示す余裕があるか
- 声が変じゃないか
- 泣き声は弱々しくないか
- あやすと笑うか
- 息が荒くないか
- 顔色は悪くないか
- 皮膚の色がチアノーゼ、まだらになっていないか
- 泣き止まない場合は、どこか痛いところはなさそうか
- ほかの症状が出てこないか(発熱・嘔吐・咳・ゼイゼイする 等)
受診ポイント
すぐに受診
- 0歳、特に生後3ヶ月ころまでの赤ちゃん
- おっぱいやミルクを飲まない、顔色が悪い、何となく元気がない・・・
「何かおかしい」と思ったら早めの受診を考えましょう。夜間休日などで判断に迷う時は、医療機関などに相談してみるのもよいでしょう。
全ての年齢ですぐに受診
- 呼びかけに対する反応が悪い 目線が合わない
- ぐったりして起き上がらない
- 泣き声が弱々しい、大きな声で泣けない
- 顔色や皮膚の色が悪い(白っぽい、青っぽい、まだら)
- 呼吸が苦しそう
- 繰り返し吐く
- 周期的に泣いたり泣き止んだりを繰り返す
- ほかの症状が出てきて、その程度が激しい(例:お腹が痛い、頭が痛い・・・)
診療時間内に受診
年長児で、何となく元気はないが目線がしっかり合い、呼びかけに対する反応もはっきりしている場合には、しばらく様子をよく観察してみましょう。
- 熱が上がってきたが、顔色はよく、すやすや寝ている
- 1回吐いたが、その後は顔色がよくなり少し元気が出てきた
こんなときは、家で休ませ診療時間内の受診の予定を立てれば大丈夫です。
記事執筆者
きむら内科小児科クリニック
院長 木村仁志
資格
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本腎臓学会腎臓専門医
- 日本透析医学会透析専門医
- なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
- 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
- こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
- かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
- かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
- 日本内科学会
- 日本腎臓学会
- 日本透析医学会
- 日本プライマリケア連合学会
- 日本抗加齢医学会