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じんましん・湿疹

お子様の皮膚疾患について

お子様の皮膚は大人の皮膚に比べて薄いため、外部からの刺激を受けやすい状態にあります。また、汗をかきやすいため細菌やウイルスが繁殖しやすく、感染症を引き起こすこともあります。
お子様に多くみられる皮膚疾患には以下のものがあります。

じんましん

  • 一時的に出現するかゆみのある赤くて膨らんだ発疹です。
  • 丸かったり、楕円形だったり地図状だったりします。
  • 原因としては食物アレルギーが有名ですが、感染や温熱刺激、物理的刺激などいろいろです。
  • 一部分でかゆみが弱ければそのまま様子をみてもいいですが、かゆみが強かったり全身に広がる場合には、抗ヒスタミン薬の内服を行います。

乳児湿疹

  • 新生児期から乳児期にみられる湿疹です。
  • 乳児に見られる湿疹のひとつです。
  • 頭部に黄色のかさぶたやフケのようなものが付着します。
  • 頭や顔から皮脂とよばれる脂肪分が多く分泌されることで症状が出ます。
  • 新生児ざ瘡(ニキビ)や脂漏性湿疹などが主ですが、アトピー性皮膚炎との区別が難しい場合もあります。
  • 治療はまずは石けんでやさしく洗います。ひどい場合にはステロイド薬や保湿剤を塗りましょう。
  • 湿疹は一度はよくなってもぶり返すことも多いですが、生後3~4ヶ月ころまでに自然によくなってきます。

水いぼ 伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)

  • 伝染性軟属腫ウィルスによる感染で、湿疹と接触することで感染します。
  • 写真のように表面はなめらかで盛り上がっています。
  • 発症後6ヶ月から3年程度で自然に脱落するため他人と接触する機会が少なければ、何もせずに様子をみます。
  • プール教室に通っているなど他人に接触する機会が多ければ、摘除したり、お薬を塗ります。

アトピー性皮膚炎

  • アレルギーで起こる湿疹です。
  • 2か月以上持続するかゆみのある慢性的な湿疹です。
  • ダニやホコリや食物が原因になりますが、食物による影響は乳児期がほとんどで、幼児期以降は食物による影響はほとんどありません。
  • 乳児期は顔や首、腕の外側、足の表側などにできやすいですが、年齢が経るにつれて肘の内側や膝の内側などにできやすくなります。
  • 治療はステロイド薬を塗ります。また描くとそれが刺激となり悪化するため湿疹がひどい場合にはかゆみ止めの内服も行います。

とびひ 伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)

  • 皮膚にいる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌という細菌による感染です。
  • 接触したり、虫刺されや湿疹をひっかいて感染した場合になります。
  • 強いかゆみのある水疱ができ、化膿することもあります。
  • 赤い湿疹→水ほう形成→腦がたまる→やぶれる→かさぶたができます。
  • 集まって生じます。
  • 火事のとび火のように急速に広まっていきます。
  • 人にうつる可能性があるので、プールなどは控えて早めに受診してください。
  • 治療は抗生剤を飲んだり、塗ります。

おむつかぶれ

  • おむつのあたる部分にあかみや発疹などの炎症が起きます。
  • 尿や便に含まれるアンモニアなどの刺激物やおむつの繊維がこすれることで症状が出ます。
  • こまめにおむつを取り替えたり、汚れた部分はきちんと拭くなど清潔さを保つことが大切です。

カンジダ性皮膚炎

  • 便の中にいるカンジダという常在菌(カビの一種)に感染することで炎症が起きます。
  • おむつかぶれと似ていますが、悪化するとただれたり、皮がむけるといった症状が出ます。
  • 市販薬を使うと悪化する場合もあるため、早めに受診するようにしてください。

あせも・あせものより

  • 「あせも」は、汗の出口が汚れやアカでふさがれることで小さな発疹が現れた状態です。
  • 「あせも」をかきむしった傷にブドウ球菌が感染し、炎症を起こした状態が「あせものより」です。
  • 「あせものより」は、痛みを伴う可能性の炎症で、発熱することもあります。

手足口病

  • 手のひら、ひじ、足の裏、ひざ、口の中などに水疱ができます。
  • 手に付着したコクサッキーウィルスなどのエンテロウィルスというタイプのウィルスに感染することで症状が出ます。
  • 口の中の水泡に痛みがあるので、食事はなるべく刺激の少ないやわらかいものにしてください。

リンゴ病

  • 頬がリンゴのように赤くなり、腕やお腹に発疹ができます。
  • ヒトパルボウィルスというウィルスに感染することで症状が出ます。
  • 入浴は問題ありませんが、発疹のかゆみが増すことがあるので注意が必要です。

当院の治療方針

皮膚疾患は、皮膚を清潔に保つ、温度調節をしっかり行うなど日ごろの生活で改善される点が多くあります。薬を処方するだけでなく、症状に合わせた生活する上での注意事項なども丁寧にご説明いたします。

記事執筆者

きむら内科小児科クリニック

院長 木村仁志

資格
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医
  • 日本透析医学会透析専門医
  • なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
  • 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
  • こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
  • かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
  • かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本プライマリケア連合学会
  • 日本抗加齢医学会