HPV-VACCINE
子宮頸がん(HPV)ワクチン

HPV(子宮頸がん)ワクチン キャッチアップ啓発の画像

子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染によって引き起こされるがんです。HPVはごく一般的なウイルスで、誰でも一度は感染する可能性があり、多くは自然に排除されますが、長期間体内に残ることで、がんの原因になることがあります。

HPVは主に性交渉によって感染するため、ウイルスに出会う前(初交前)にワクチンを接種することが、子宮頸がんの予防に最も効果的とされています。

接種対象とタイミング

定期接種の対象者は、小学校6年生から高校1年生相当の女子です。
特に中学1年生での接種が標準的とされています。
性経験が始まる前に接種することで、最も高い予防効果が期待できます。

使用されるワクチンと接種スケジュール

現在、日本で使用されているHPVワクチンは3種類あります。

2価ワクチン(サーバリックス®)

  • 予防対象:HPV16型・18型(子宮頸がんの主な原因)
  • 接種回数:3回(0、1、6か月のスケジュール)
  • 対象年齢:小学6年生〜高校1年生の女子(定期接種)

4価ワクチン(ガーダシル®)

  • 予防対象:HPV6型・11型(尖圭コンジローマの原因)、16型・18型
  • 接種回数:3回(0、2、6か月のスケジュール)
  • 対象年齢:小学6年生〜高校1年生の女子(定期接種)

9価ワクチン(シルガード®9)

  • 予防対象:HPV6・11・16・18・31・33・45・52・58型(子宮頸がんの原因ウイルスの約90%以上をカバー)
  • 接種回数:
    • 15歳未満で接種開始の場合:2回(0、6か月)
    • 15歳以上で接種開始の場合:3回(0、2、6か月)
  • 2023年4月より定期接種の対象に追加されました

※いずれも同じ種類のワクチンで全回数を完了する必要があります。

もし接種を受けなかったら…

HPVは非常に一般的なウイルスで、症状がなくても感染していることがあり、自分では気づかないうちに感染・伝播している可能性もあります。
感染してもすぐにがんになるわけではなく、がんになるまでには数年から十数年の時間を要するため、リスクが見えづらいという特徴があります。

「自分は大丈夫」と思っていても、実際には誰もが感染リスクを持っていることを知っていただくことが大切です。
初交前にワクチンを接種しておくことで、将来の子宮頸がんを予防することができます。

ワクチンについてのご相談・ご予約

当院では、サーバリックス®、ガーダシル®、シルガード®9の3種類のワクチンに対応しています。
どのワクチンを選ぶべきか迷われる方や、接種スケジュールについて不安がある方は、お気軽にご相談ください。

大切なお子さまの将来を守るために、予防の選択を早めにご検討ください。

記事執筆者

きむら内科小児科クリニック

院長 木村仁志

資格
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医
  • 日本透析医学会透析専門医
  • なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
  • 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
  • こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
  • かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
  • かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本プライマリケア連合学会
  • 日本抗加齢医学会