MUMPS-VACCINE
おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン

接種時期

  • 1歳以上が接種対象です。
  • 1回の接種でも予防効果は認められますが、本ワクチンを定期接種する海外諸国では確実な予防のために2回接種が行われています。
  • 日本小児科学会は2回接種を推奨し、1回目は生後12ヶ月以上16ヶ月未満、2回目は5歳以上7歳未満が接種推奨期間です。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)について

おたふくかぜは、ムンプスウイルスによって引き起こされる感染症で、耳の前にある耳下腺や、あごの下にある顎下腺が腫れ、痛みや発熱を伴います。子どもに多く見られる病気ですが、まれに重い合併症を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

接種せずに発症した場合のリスク(主な合併症)

難聴

おたふくかぜにかかると、まれに難聴を引き起こすことがあります。
一時的な難聴も含めると、数%以上の頻度とされ、日本では約1,000人に1人の割合で難聴になるという調査結果もあります。
多くは片耳だけの難聴(片側性難聴)で、症状が出ない「不顕性感染」の人でも難聴になることがあります。
一度発症すると回復が極めて困難であるため、予防が非常に重要です。

無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)

脳や脊髄を包む膜に炎症が起こる病気ですが、一般的には経過は良好です。
ただし、重症化した場合は、まれに後遺症や死亡につながることもあります。

精巣炎・卵巣炎

思春期以降の年長児や大人でよく見られます。
強い痛みを伴うこともありますが、不妊症になることはほとんどありません。

不顕性感染(ふけんせいかんせん)

おたふくかぜウイルスに感染しても症状が出ない人が約20%いるとされています。
このような人でも、合併症が起こる可能性があります。

ワクチン接種の重要性

おたふくかぜの予防には、ワクチン接種が非常に有効です。
発症や重症化のリスクを抑えることができ、特に難聴のような回復が難しい合併症を防ぐために、接種は大きな意味を持ちます

大切なお子さまの健康と未来を守るためにも、早めのワクチン接種をご検討ください。

記事執筆者

きむら内科小児科クリニック

院長 木村仁志

資格
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医
  • 日本透析医学会透析専門医
  • なごや認知症安心安全プロジェクトもの忘れ相談医(登録かかりつけ医)
  • 日本ACLS協会 BLSヘルスケアプロバイダーコース修了(平成27年7月)
  • がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了(平成27年9月)
  • こどものみかた小児T&Aコース修了(平成27年10月)
  • かかりつけ医認知症対応力向上研修終了(平成28年11月)
  • かかりつけ医等心の健康対応力向上研修終了(平成28年11月)
所属学会
  • 日本内科学会
  • 日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本プライマリケア連合学会
  • 日本抗加齢医学会