高血圧

高血圧の定義・診断基準

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高血圧の定義・診断基準


日本高血圧学会の診断基準では、正常血圧を120/80mmHg未満(診察室血圧)と設定して、
次のように高血圧を定義しています。

病院での測定値(診察室血圧)

何度か測定して、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上

自宅での測定値(家庭血圧)

5~7日間測定した平均値で、最高血圧が135mmHg以上、または最低血圧が85mmHg以上
(※家庭血圧は診察室血圧よりも5mmHg低い基準を用いる)
近年はご家庭での血圧測定も一般化されてきており、家庭血圧の診断基準も確立されてい
るため、高血圧の診断は診察室血圧と家庭血圧の総合的な判断によって行われます。

家庭血圧はご自宅でのリラックスした環境の中で測定した血圧となることから、「普段の
血圧」を一番反映しているものと考えられています。
そのため、家庭血圧と診察室血圧に差があった場合には、家庭血圧による診断を優先しま
す。
なお、家庭血圧では正常値でも、病院で測ると緊張して血圧が高くなってしまう場合を「
白衣高血圧」と呼びます。一方、診察室血圧が正常値内でも診察室以外での血圧が高血圧
を示す「仮面高血圧」もあります。仮面高血圧には、血圧が上昇している時間帯によって
次のように分類されます。

・ 早朝高血圧

早朝の家庭血圧平均値135/85mmHg以上、脳心血管病リスクが高い

・ 昼間高血圧

日中のABPM (*2) 平均値が135/85mmHg以上、精神的・身体的ストレスの影響大、肥満・高
血圧家族歴がある方に多くみられる
(*2) ABPM:24時間自由行動下血圧測定。一日の血圧変動を知ることで、降圧剤効果測定や診察室血圧・
家庭血圧では知ることができない仮面高血圧などの血圧情報を調べることが可能。

・ 夜間高血圧

夜間のABPMや家庭血圧の平均値が120/70mmHg以上、脳心血管病リスク大、認知・身体
機能の低下と関連性がある。


(図) 高血圧の診断基準

(図) 高血圧の診断基準


ただし、診察室血圧が120/80mmHg以上(正常高値血圧以上)の場合、血圧が高くなるにつ
れ脳心血管疾患の危険性や将来的な高血圧への移行確率が高まるという調査結果 (*3) が国内
外で報告されています。
血圧が高くなってきたら放置せず、まずは生活習慣の改善など今できることから始めまし
ょう。

(*3) 参考)高血圧治療ガイドライン2019 P.18|日本高血圧学会

こちらのページもご覧ください

高血圧とは
高血圧の原因
高血圧になりやすい方
高血圧の症状
高血圧の合併症
高血圧の検査
高血圧の治療
高血圧の通院頻度と費用の目安
よくあるご質問
院長から一言

文責

腎臓専門医
総合内科専門医                            木村 仁志


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